お役立ちコラム

COLUMN

岡山市中区祇園で、史跡・名所巡り&こだわりの名店を発掘 その2

ズラリと並んだ備前焼作品

こんにちは!ヘルシーホーム広報担当の秋篠です。
暦の上では霜降となり、朝夕は日増しに肌寒く感じるようになってまいりました。「秋の日はつるべ落とし」ということわざ通り、日の暮れるのも早くなり、日一日と秋の色が濃くなってくるのを実感する今日この頃です。

「岡山市中区祇園」の史跡・名所探訪、今回は、展示場から少し北へ車を走らせて、「備前国総社宮」周辺のスポットをご紹介します。

コンテンツ

  1. 津田永忠の偉業を今に伝える。旭東平野をうるおす分水樋門「祇園大樋(ぎおんおうひ)」
  2. 心に豊かさが満ちていく一杯。カフェ&ギャラリー「暮らしと珈琲」

津田永忠の偉業を今に伝える。
旭東平野をうるおす分水樋門「祇園大樋(ぎおんおうひ)」

県道219号線を北上し、「祇園西」交差点を超えて右折、旭川土手沿いの道を進めば程なく「備前国総社宮」ですが、総社宮のすぐ手前に「祇園大樋改修記念碑」が建っています。

祇園大樋改修記念碑

「祇園大樋」と「祇園大樋改修記念碑」へのアクセス

道沿いに、岡山市による「祇園大樋」の案内看板(岡山歴史散歩)も出ています。

祇園大樋の案内看板の場所
祇園大樋の案内看板の内容

「祇園大樋」とは、旭川下流の左岸平野をうるおす古田樋尻川用水・新田用水・後楽園用水の五双からなる分水樋門の総称です。岡山市の「岡山歴史散歩」 現地案内看板によりますと、津田永忠(今在家コラムその3の「百間川せせらぎ広場」記事内でも取り上げた岡山藩の土木事業で数々の偉業を成し遂げた鬼才)が、沖新田などの新田開発を行った際に、大量の灌漑用水の必要性から、元禄5年(1692年)、彼の指揮のもとに築造されたと伝えられています。その巨大さから、築造場所の地名に因んで「祇園大樋」と呼ばれるようになったそうです。

道沿いから望む祇園大樋
道沿いから望む祇園大樋
北奥から望む祇園大樋

この祇園大樋で分水された水が、水田の灌漑だけでなく、生活用水としても利用されるなど、現在も重要な役割を果たしています。

改修記念碑に設置されている岡山地方振興局と岡山市教育委員会の現地案内版によりますと、五双の樋門は、築造後たびたび改修されながら今日に引き継がれてきました。そのうち、古田樋尻川用水の西樋(東から二番目の樋門)の一部については築造以来まったく改修の手が加えられておらず、その一部がここに移築・復元され、「祇園大樋改修記念碑」として、後世にその姿を伝えるとともに、当時の土木技術・石工技術をしのぶよすがとなっています。

祇園大樋の現地案内板
岡山地方振興局と岡山市教育委員会による現地案内板
改修記念碑の西樋側面
西樋側面
改修記念碑の西樋内部
西樋内部
改修記念碑の西樋呑口部
西樋呑口部
規模と構造を記した現地案内板
規模と構造を記した現地案内板。西樋の規模:全長23.5m 幅1.1m 高さ0.8m。
改修記念碑遠景

こんな堅牢・精緻な石普請が、元禄時代に施されたということに驚かされます。
ひっそりと奥ゆかしい佇まいながら、今に生きる先人の偉業に触れ、静かなるパワーを感じるとともに、感謝の気持ちを新たにしました。

心に豊かさが満ちていく一杯。カフェ&ギャラリー「暮らしと珈琲」

「祇園大樋改修記念碑」から備前国総社宮の鳥居へ向かうゆるやかな坂道のふもとに、築50年の元剣道場をリノベーションした素敵な空間のコーヒー専門店&ギャラリー「暮らしと珈琲」があります。

カフェ&ギャラリー「暮らしと珈琲」全景
お店の前のテラス席と駐車場・駐輪場

お店の前にはテラス席と駐車場・駐輪場。
土手上の備前国総社宮駐車場も利用できます。

カフェ&ギャラリー「暮らしと珈琲」へのアクセス

明るい雰囲気の入口
ナチュラルで明るい雰囲気のお店です。
備前焼作家集団「けらもす」の作品たち
ギャラリーでは2020年11月4日まで備前焼作家集団「けらもす」の展覧会開催中です。
店内の様子

冷めても変わらず美味しいコーヒーを追求し、世界各地の熱意のあるコーヒー生産者から、その年に収穫した新豆を仕入れ、店内にある焙煎機で自家焙煎しています。自分好みのテイストをセレクトできる「選べるコーヒー」などの自家焙煎珈琲やラテ、ト-ストやホットドックなどのフード、自家製スウィーツを店内で楽しめます。メニューはテイクアウトも出来、また、豆の量り売りやドリップパックの販売もなさっています。

12種類の選べるコーヒー
「選べるコーヒー」12種類。「すっきり」「濃いめ」など、特徴がわかりやすく記されています。
店内の自家焙煎機と焙煎士さん
店内に設置された自家焙煎機。女性焙煎士さんが丁寧につくられています。

備前焼のグループ展を開催中ということで、「備前ブレンド飲み比べセット」(税込440円)、そしてコーヒーに合いそうな「ベイクトチーズケーキ」(税込350円)をオーダー。奥の道場だった場所がギャラリーで、ギャラリー内でもいただけるということなので、作品を鑑賞しながら味わうことに。

昔は剣道場だったギャラリー
靴を脱いでギャラリースペースへ。剣道場の面影を残す風格ある空間です。
備前焼作品に囲まれたギャラリー
備前焼の器でいただく珈琲とケーキ

備前焼の作品に囲まれた空間で、備前焼の器で珈琲やケーキをいただく幸せ♪
そして、私は勘違いしていたのですが、「飲み比べセット」というのは、2種類のコーヒーでなく、同じコーヒーを陶器と備前焼でその味わいの違いを飲み比べるという趣向だったのです。

実際に飲み比べてみて、同じコーヒーとは思えない、歴然とした味の違いがありました!陶器で飲む方は苦味があって少し鋭角的な印象、備前焼で飲んだ方は、すごく丸みのあるやさしい味わいが広がりました。社長の脇山さんにその感想をお伝えしたところ、備前焼は、ワインのデキャンタ―ジュと同じで、対液体の場合、空気と触れると味わいがまろやかになるそうです。実際に研究機関で味の五角形の分析をしてもらい、その味がまろやかにブラッシュアップされることが証明されているそうです。

また、お料理の器として使用する場合、味自体は変わらないそうですが、備前焼が釉薬をつけない素焼きのものであるので、土そのものの風合いが、上に乗せたものを自然と引き立たせるという視覚効果があるそうです。そう言われれば確かに、カレーでもお刺身でも、備前焼の器に盛りつけられたお料理は、すごく美味しそうに見えます。その理由がちゃんとあったんですね。目からうろこが落ちました。

脇山さんと楽しくお話させていただきながら、展覧会のコンセプトをお聞きしました。6人の作家さんの作品を各々の棚に展示するという今回の備前焼企画が、本格的なギャラリー展開の記念すべき第一弾だそうです。そこで、個展というと敷居が高くなりがちですが、あくまで備前焼は暮らしの中に溶け込む、生活を豊かにするものという趣旨で、その空間の中でコーヒーを飲んだり、実際に備前焼の器で飲み比べできる、オープンなスペースに。また、会期を1か月というロングスパンに設定。zoomを活用して、初窯での作品づくりとその過程を作家さんの窯元からオンライン動画で公開し、完成したものを会期中に即時ギャラリーで展示・公開するという試みも。ギャラリー内には各作家さんの窯元と繋がるオンライン端末とカメラが設置され、作家さんとお話したり、作品について聞くこともできます。

コロナ禍の中、zoomで窯元を公開するというアイデアを作家さんたちも快く受け入れて下さったそうです。さらに、オンラインで繋がるので、全国各地から作家さんと直接話をして、会場に足を運ばなくとも展示を鑑賞でき、気に入った作品を購入することも可能に。

私自身、時節柄いろいろと制約され仕事でもプライベートでも不自由を感じていた昨今だったのですが、考え方・やり方・ツールひとつで、むしろ世界が広がって、境界もなくなり、自由になるのだということに、あらためて気づかされました。

ズラリと並んだ備前焼作品
ズラリと並んだ作品は壮観です。作家さんごとに唯一無二の世界観があります。
備前焼の一輪挿し
一輪挿しも絵になります。きっとお花を引き立てるのですね。

そして、備前焼に続く第二弾企画は「食を伝える人」にスポットをあて、斬新な仕掛けを、参加されるメンバーと考案中だそうです。お話を聞いていて「こうなると楽しいね」という何気ないアイデアやひらめきが、才能と情熱がある人同士の化学変化でどんどん進化して、スピーディーに具現化していくさまに、「クリエイティブって、まさにこういうことだな」と感じ入った次第です。丁寧に供されるやさしい味わいの珈琲&スウィーツ。そしてその一杯からひろがる豊かな時間。暮らしの新たな楽しみ方も見つかりそうです。私も早速「備前焼で完成する珈琲」(備前焼に入れることで味が完成するというコンセプトでブレンドされた珈琲)のドリップパックを購入しました。自宅の水屋箪笥の片隅に眠っている備前焼のコーヒーカップを出して飲んでみようと思います♪

備前焼作家集団「けらもす」のグループ展は、2020年11月4日(水)まで開催中!ぜひ足を運んで、豊潤な一杯とともに、優美な備前焼の魅力に触れてみてはいかがでしょうか?

「暮らしと珈琲」の詳細はこちら

岡山市中区祇園にお勧めの建売分譲がございます。
詳しくは、お近くの店舗・展示場へお問い合わせください。

店舗・展示場情報